明日3月21日は春分の日。
春のお彼岸(春分の日の前後3日間、計7日間)の中日にあたります。
毎年同じ様な事を書いておりますが今年も復習も兼ねて(笑)。
仏教では簡単に言うと、太陽が登る東を私たちがいる世界
太陽が沈む西を亡くなった故人の世界と考えています。
古き太陽信仰と極楽浄土信仰が結びついたものではないかと言われていますが
この辺はお詳しい方にお任せしてさらっと参りますね。
故人への思いが一番通じやすくなると考えられている日が
太陽が真東から登り真西へ沈み、昼と夜が同じとなる春分と秋分なので
この日にお墓参りをしたり仏壇へお供え物をするのです♪
しかしながら、なぜぼた餅(秋はおはぎ)を食べるのでしょうか?
※春は牡丹の咲く季節なので「ぼた餅」、秋は萩の咲く季節なので「おはぎ」とか。
〜そんな視点で和菓子屋さん巡りをしてみましたが両者半々で使われており現在では和菓子屋さんもあまり厳格な線引きはなさっていないのかも知れません〜
江戸時代、あんこの材料の小豆は
中国から漢方薬の一種として日本に入って参りましたが
小豆の赤い色には魔除けの効果があると信じられていた為
邪気を払う食べ物としてご先祖様への供養に使われていたと言われます。
また、江戸の頃、砂糖は大変貴重な高級品でしたので
(江戸時代後期に九州や四国などで黒糖や和三盆の生産が増えると庶民にも)
故人へ思いを馳せる大切なお彼岸に、魔除け効果のある小豆と高級な砂糖を使用した
あんこを作り、お餅につけてご先祖様にお供えし、
邪気払いをしたりお祈りしたのではないでしょうか。
当時、ぼた餅(おはぎ)は大変貴重で贅沢なお供えスイーツだったのですね♡
今の生活と違い節目節目に「邪気を払う」事がとても重要だったのだと
様々な節句や行事を調べる度に深く感じ入ります。
なお、小豆の収穫は9~11月。
秋のお彼岸は9月なので収穫したての小豆を使う為、皮も柔らかいので「粒あん」にし
春のお彼岸まで保存していた小豆は皮も固くなるので皮を取った「こしあん」を使用する事が多かった
という事で春のぼた餅は「こしあん」、秋のおはぎは「粒あん」が多いそう。
〜これまた意識して和菓子屋さん巡りをしてみましたが
現代の我々のワガママな需要に応えるべく!?粒もこしも両方用意されているお店ばかりでした。
嬉しいですがちょっと寂しい気持ちになった私です…。
お読み下さった皆様がぼた餅とおはぎの元々の違いを少しでも意識し、
春分の日やお彼岸を意識して、このお彼岸の期間、故人を思い過ごして頂けましたら幸いです。
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